- 子どもに勉強させたいけど、なかなか思い通りにいかない
- 子どもの成績を上げたい。
- 子どもに対して「こうなってほしい」という、強い期待がある
- 教育虐待ってひどい。私は絶対こんなことしない
今回おすすめしたい本は『ルポ 教育虐待 毒親と追いつめられる子どもたち』です。
表紙の「あなたのため」は呪いの言葉という文章がとても印象的で、新聞やテレビなどでも紹介されています。
著者はおおたとしまささん。
育児・教育ジャーナリストの肩書をお持ちで、心理カウンセラーとしての活動経験や私立小学校での教員経験もあるようです。
この本では、おおたさんが実際に「教育虐待」を受けていた本人やその周囲の人を取材して書いた本で、その実態とご自身の考察が書かれています。
教育虐待は他人事?
「教育虐待」とは、「あなたのため」という名のもとに、親が子にいきすぎた「しつけ」や「教育」を行うことを指しています。
これはさすがにやりすぎでしょ!
子どもが可哀想だよ。
はじめは、他人事のようにそう思っていました。
でも、本を読み終える頃には「あれ?これはまずいぞ」と思い始めました。
なぜなら、教育虐待をする親には「子どもにはこうあってほしい」という強い思いがあるのですが、
それは「教育虐待なんて我が家には関係ない」と思っていた私の中にも強くあることに気づいたからです。
以前の私は、子どもが私の期待通りに動かなければ、
「勉強しなさい!」
「早くしなさい!」
「何で出来ないの」
などとすぐに口にするタイプの母親でした。
私がそうなってしまった原因はただ1つ。
それは、子どもに対して「こうしてほしい、こうあるべき」という過度な期待があり、それを達成させるために私の思い通りにしようとしているからです。
この本の中に描かれている親たちも、正にそんなタイプの人たちでした。
今はただの口うるさいお母さんだけど、このままエスカレートしていくかもしれない。そう思いました。
当初子どもに、偏差値高めの高校受験を希望していた私は、なかなか勉強しない子どもに対して焦っていました。
私が受験するわけでもないのに…
そんな中、子どもとの関係の悪化や色々な経験を通して「それではいけない」と反省し、口出しせず見守る子育てを目指すことにしました。
しばらくは、口出しせず我慢することを続けていましたが、「こうしてほしい」という自分の思いは持ち続けていたので、我慢することがストレスになることもありました。
子どもがうまくいっていない時には、心の底ではイライラしたり、焦ったりしました。
そんな気持ちがつい口に出たり、過度なサポートにつながったりすることもしばしばで…
それが子どもに伝わると不穏な空気が流れました。
子どもにとっての幸せって何だろう?
そんなことから考え直すようになりました。
「いつも元気で笑って過ごしてほしい」
最終的にたどり着いた答えは、子どもを出産したばかりの頃に願っていたことと同じでした。
「子どもの人生は子どものもの」
「私(母親)の役割は、安心して帰りたいと思える家庭を作ることだけ」
そのために、「こうあるべき」という強い思いは捨てることにしました。
そんな強い思いを捨てたら、いい意味で子どもに期待をしなくなり楽になりました。
きっとうちの子も楽になったんじゃないかと思ってます。
だって前よりもいろんなことを私に話すようになりましたから
教育虐待をしないために
子どもを1人の人間として、気持ちを尊重する。
親の気持ちを子どもに押し付けない。
子どもが迷った時、困った時だけ手を差し伸べる。
それが本当の見守り教育であり、教育虐待につながらないための策です。
見守ることは簡単ではなく、大変な覚悟と忍耐が要ります。
- やると言ったのにやらない
- 勉強する時間よりスマホを見ている時間の方が多い
- それなのに、「こんなに勉強したのに、成績が悪かった。順位が落ちた。」と言う
そんなわが子の姿をみると「いやいや、全然出来てないじゃん。いい加減にしろ。」と思うこともあるでしょう。
そこは、ぐっとこらえて見守る。
多分、成績は落ちてしまうかもしれません。
でも、私はそれで良いと思えるようになりました。
なぜなら、転ばないように予防していくよりも、転んだ後に自分で立ちあがる方法を学ぶことが、今後の人生には役立つと考えるようになったからです。
大切なのは、見守る=放っておくではないということです。
放っておくは無関心であることに近いですが、見守るは関心を持ちながら必要時に手を差し伸べることです。
そして、子どもの意見を尊重することもまた、親の意見を言わないというわけではありません。
親の気持ちは伝えても、押し付けないということです。
色々な道や考え方があることを提示して、最終的には子どもに選択させる。
それが、見守る子育てなんだと思います。
子どもが何かを選択するときに、親の顔色を伺うような関係性だと、見守りは成り立ちません。
親子の上下関係をなくして、お互いに尊重し合える関係性を今後は目指していきたいと思います。
そんなことを考えさせられる本でした(^^ゞ